情報科の選択授業で動画を作って締め切りまでに提出するという課題があります。今日、生徒から時間が足りないので、放課後パソコン教室を開放して欲しいという要望がありました。
それを生徒から聞いた時、僕の素直な意見としては、開放するべきではないと思いました。理由としては、全員が「限られた時間の中で」提出することが大事だと考えたからです。今回の場合だと、提出まで約10回ぐらい授業があったわけですが、そこまでにどこを優先してどこをあきらめるのかも考えながら、仕上げるように調整する能力も大事だと思うんですね。
逆に、足りないから、じゃあ放課後を開放しようとなると、そもそも提出期限を決める必要性ってなくなるのではないでしょうか。結局、「足りないから」という思考になってしまい、それに教師も放課後付き合うことになってしまいます。生徒の考える力も落ちますし、教師にとってもデメリットだと思います。
これは、仕事においても同じで、どの仕事も「時間が足りないから残業しよう」となってしまうと、どんどん生産性が落ち、「残業できるからこのスピードでいいか」となってしまいます。そうではなく、この仕事はここまでしかやらない。それ以上はあきらめて帰る。もしくは、そもそも仕事の量がおかしいので、課内で調整してもらうようにお願いする。など、そういう前向きなあきらめというのも大事だと思うんですよね。生徒にはそういうことを考える力をつけてほしい。
と思いながらも、結局、「こんだけ頑張っているんだし、少しぐらい開放してあげるか」と放課後パソコン教室を開放することになってしまいました。なんか、頑張りたいという子に上記を真剣に説得するのも、少し無情というか、僕も事前に開放しないことを課題プリントに明記していませんでしたしね。「君たちの頑張りたいという意欲は素晴らしいけど、次の課題からは、放課後は開放しないよ。限られた時間で仕事を仕上げる力も身につけて欲しいからね。そうしないと、自分も家族も守れないよ。」ということを授業の最後に伝えました。
いわゆる優しい先生とかは、こういう事例って無条件に放課後教室を開放すると思うのですが、僕からするとそれは優しさではなく、生徒から考える機会を奪っているんじゃない?と思うわけです。「頑張っているからもっと付き合ってあげよう」というのは、生徒を子ども扱いしている感じがします。社会に出たら、そういうのは家族から非難されるというのも見越した上で、生徒とどう課題を取り組むべきか考えるべきだと思います。