先日、院の研究でビデオ分析を行なっていました。
内容は連携校での『学び合い』の授業において、子ども達がどのように動いているのかを分析しています。こうして、落ち着いた環境でビデオ分析を進めていくと、色んなことに気づきます。
例えば、普段は人とはあまり関わらない男子生徒が、授業中に分からない女子生徒のところに行って、教えていたりするのです。
また、僕がすごいなと思ったのは、その男子生徒も分からない問題にぶつかると男子集団で1番優秀な生徒のところに行って、肩を組み、その子を分からない女子生徒のところに連れて行って、教えさせたのです。
その映像を見て思わず、この子すごツ!!と声に出してしまいました。
「教師は教えることが仕事」と考えることのリスク
少し残念だったのは、その凄い状況の時に他の先生もやってきて問題を教えようとしてしまったことです。もちろん、教師として教えたい気持ちは分かるのですが、自律した生徒集団を目指すなら、見守るのが良かったと思います。案の定、自分等よりも優秀な先生が現れたことによって、男子2人は手持ちぶさたになってしまい、じゃあ、あとは先生に任せたと言わんばかりにその場から離れてしまいました。
教師は教えることが仕事だとよく思われがちですが、本来教師がやるべきことは「生徒が自律して社会で生きていくこと」です。「生徒に教える」という行為は必ずしもマストではないわけです。Youtubeの教育動画の方が分かりやすいのであれば、それで事が足りるのです。
あとは、どうやって生徒が自律していけるようにサポートできるか、それが教師のなすべきことだと思います。
「教師は教えることが仕事である」と考えてしまうと、子ども達の自律のチャンスを次々と奪ってしまいます。そうならないためにも、教えることはマストではないことを常に頭に入れておく必要があると思います。