本日は「キャズム2」という本を読んでいました。西川純先生が『学び合い』を深く理解するために読む事を推奨している本です。
私は現在、連携協力校で世界史の授業を担当しており、そこで『学び合い』を実践させていただいています。元々『学び合い』を数学でやっている子ども達なので、最初は上手くいったいました。しかし、最近はどうも活動がレベルアップしていないというか、課題を達成できる子は達成しているが、できていない子は相変わらずできていないという状況でした。
その解決策のヒントを得るためにこの「キャズム2」を読んでみました。キャズム2について詳しくは以下をご覧ください。
【図解読書】キャズムVer2 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論のレビューhttps://note.com/bookwrapup/n/n056a168a50cd
要は、「イノベータ」+「アーリーアダプター」のグループと「アーリーマジョリティ」以降のグールプには大きな溝「キャズム」が潜んでおり、このキャズムに陥らないためには、ニッチな市場に的を絞って初期市場を開拓しよう!という話です。
重要なのはこの「イノベータ」+「アーリーアダプター」のグループと「アーリーマジョリティ」以降のグールプには大きな認識のズレがあるという事です。前者が「革新的なものをから生まれる効果」に注目するのに対し、後者は「安定的な成果」を求めているという点です。
iPhoneの例で言うと、「イノベータ」+「アーリーアダプター」は「iPhoneによって、色んな機能をこの機会一つで済むようになる!」と言う点に注目するのに対し、「アーリーマジョリティ」以降のグールプは前者のような点は重要視しません。
それよりも「ちゃんと安全に使えるのか?」や「壊れたりしないか?」と言う点に注目します。両者にはそれぐらいの認識のズレが存在します。なので、両者に対して同じ宣伝の仕方をしてもあまり効果はなく、これに気づかない企業がキャズムに陥ってしまうという話です。
では、キャズムに陥らないためにはどうすれば良いのか?
本書では「ニッチな市場に限定し、開拓することが大事である」と述べられています。iPhoneの例で言うと、「イノベータ」+「アーリーアダプター」にターゲットを絞り「iPhoneは今までの携帯とはここが革新的ですよ!」とか「iPhoneを使うことによって、人生がこう変わりますよ!」と言う事を伝えるということになります。
実際にiPhoneの発表会でのスティーブジョブスはその点に絞ってスピーチしていますね。
このように、伝えるべきターゲットを絞って、ニッチな市場を開拓するという意識がまずは大事なのですね。授業においてもそうです。
これを『学び合い』に例えると、「分かる生徒に伝える」というあるあるフレーズにつながってきます。
確かに、自分の行動を振り返ると、クラスの活動が活発になっていない状況を見て、問題のある生徒にばかり意識がいっていました。
「キャズム2」で言うと、ターゲットを絞れておらず、マーケット全体に対して宣伝をしている状態です。つまり、アーリーマジョリティ以降に対してiPhoneのここが良いよね!と伝えている状態です。
「分かる生徒に伝える」というのは入門書5冊で散々出てくることばですが、こうした本を読むことによって、なぜ「分からない生徒に伝えようとすることが非効率的なのか」がよく分かってきます。