国際バカロレア教育に取り組んでいる高校を取材している記事を見ました。
【特集】国際的志向な高校生の“進路選択”にコロナが影響?『国際バカロレア』教育取り組む学校の今
https://news.yahoo.co.jp/articles/b078b7ab549b10bdbc3e93b6ab1ef283b75bcb70?page=3
国際バカロレアとは、カリキュラムや成績の付け方などに国際的な基準があり、高校で一定の成績を収めると世界2000以上の大学への入学・受験資格が得られるものだそうです。
記事の中では、コロナの中で海外の大学に行くことを決めた高校生や、逆に家族の状況で日本国内の大学に進学することを決めた高校生のインタビューなどが。みんな色々考えているんだなあと思いました。
公立高校も国際バカロレア教育に力を入れているようです。滋賀県立虎姫高校は滋賀県内の高校生の「南下傾向」への対応として、学校の魅力づくりとして国際バカロレア教育に力を入れたそうです。校長のインタビューでは
「滋賀県の中で国際社会に活躍できる人間をなんとかこの地で育ててみたい。より学校の魅力づくりと地域の活性化につながるということで導入に至りました」
とありました。しかし僕はこのコメントを読んで、国際社会で活躍できる人間を作ることと、地域の活性化は果たしてつながるのか少し疑問を持ちました。
例えば、国際バカロレア教育をした結果、Googleで活躍するようなエンジニアが生まれたとして、その人が地元の地域活性化にどう繋がっていくのかが少しイメージしにくいなと感じました。逆に優秀な人はずっとGoogleがあるアメリカに居続けるのではないかと思います。
そうなってくると地域活性化どころか、優秀な人達が地域から海外へ行って、そのまま帰ってこないという逆効果を生み出しかねない可能性もあるかもしれません。
では、どうすればいいかというと、それはGoogleで活躍するようなエンジニアでさえ、地元で働きたいと思えるような地域を作る必要があると思います。
例えば、これからはリモートワークが広がっていくと考えられます。そういったリモートワークを支援するような制度を自治体が作るなどです。
例えば、家でのリモートワークがしにくいというビジネスマン向けに自治体がコアワーキングスペースを作り、無料で使えるようにする。また、「第三の波」では、リモートワークが普及するにつれて、エレクトロニック大家族が生まれてくると書かれています。そういった大家族が住めるような住宅を作る際の補助金を自治体が空き家・空き地を活用しながら全面的にバックアップしたりなどなどでしょうか。
学校教育においては、地元の人とのネットワークをどれだけ生み出せるのかが鍵となるかもしれません。また、学校イベントなどで異業種の人々が関われるような環境を作ることができれば、Googleで活躍するようなエンジニアと地域の人との間で新しい仕事が生まれるかもしれません。
いずれにせよ、教育を地域活性化に繋げるためには、「どういった地域を作るべきか」ということを主軸に置く必要があるかもしれません。