最近は主にジョブ型社会について調べていました。ジョブ型社会とは職務によって人を雇用し、働く社会のことを指し、世界での一般的な雇用関係です。一方で日本はどうかというと、一括採用・終身雇用です。こうした経営を「日本型経営」と言います。ジョブ型社会と違うのは、そのひとが専門性を持っているかどうかで採用するのではなく、学歴や人柄で終身雇用するという点です。なので、欧米では専門性が要求されるのに対し、日本では「どの大学に出たか」が重要視されます。
日本はこの「日本型経営」によって、高度経済成長期に大躍進します。しかし、近年では日本型経営には限界がきています。その証拠として大学に進学しても安定した職にはつけず。むしろ大学に進学するのはコスパが悪いという認識が世間に広まっています。私がチェックしているちきりんさんのブログ「無理して大学進学しても報われないわけ」は大変わかりやすい説明で大学に進学しても正規採用されない人が増えた原因について言及されており、SNSで話題になっていました。
そこで、日本ではジョブ型社会への移行が始まっています。不況なので、いちいち社員をゼロから雇って教育すれば、元が取れるような高度経済成長期は終わってしまったので、即戦力が取れるようになるジョブ型社会へ移行しようというわけです。
実際にKDDIがジョブ型採用を取り入れていくという報道もあり、これからの雇用の在り方が大きく変わろうとしています。
KDDIが8月から独自のジョブ型人事制度を導入。21年4月入社社員から一律の初任給制度を撤廃し、能力に応じた給与体系も導入https://at-jinji.jp/blog/34893/
雇用が変わるということは、日本教育も変わる必要が出てきます。何故なら、KDDIの記事にもあるように、ジョブ型社会で面接官から質問されるのは「あなたはどの職務をこなすことができますか?」という内容だからです。これまでのような「どの大学を出たか?」は重要でなくなってきます。先生の仕事は「生徒をより偏差値の高い大学へと進学させる」ことから「専門性を持った複雑な課題を解決できる生徒の育成」へと変わってきます。
即戦力が重要となると、保護者や生徒は専門性を高めれるような個別最適化された教育が提供されている学校へと進学するようになります。今はN高等学校がそれを実現しています。公立では一斉授業、「みんなが同じことを勉強する」のに対し、N高等学校では自分に合ったカリキュラムを組むことができます。それだったらN高等学校に行って、専門性を磨こうとなるわけです。
ジョブ型社会やN高等学校についての詳しい内容は下記をお読み下さい。
N高等学校について
ジョブ型社会について
このように、これまでの日本ではとにかく偏差値の高い学校に進学することが安定した職を得る有効な方法であったのに対し、ジョブ型社会への移行によって「進学の考え方」が大きく変化しています。そして、SDGs時代に突入することによって、企業のビジネスに対する考え方も変化を求められています。今回はそのヒントとして「DeepTech」という本を紹介します。
本書での重要な点は日本企業の強みを活かして、新しいビジネスエコシステムに挑戦しようと訴えている点です。そのためにはSDGsに合わせた「考え方」が必要になってきます。
また、これからの日本が活躍できる重要な拠点として、「東南アジア」がこれからDeepな課題を発見できる最高の場所となるとしています。