本日の授業は、世界史のテスト返却でした。昨日のブログにも書いたとおり、テストの結果は悲惨なものでした。
子ども達はそれなりに『学び合い』の課題を頑張って達成していましたが、結果には結び付かず、今の『学び合い』は形上課題を達成しているだけの「なんちゃって『学び合い』」になっている状態だということがわかりました。そして、原因は私が上位2割の生徒に伝えるべき事を伝えていないからということも書きました。
この状態を改善するためには、上位2割の生徒にしっかりと伝える必要があります。今日はさっそく、テスト返却をした後にクラスに私の考えを伝えました。
語りの目的は「上位2割の生徒に全員達成を目指すことは得であるという事を理解させる」といった感じで設定しました。
「今回のテストは表面をN先生が作り、裏面は私が作りました。中間テストまでの最後の4回の授業を私が担当して『学び合い』をしました。
そして、君たちが頑張って『学び合い』の課題を解いている姿が見られたので、N先生と相談して「頑張ったし、点を取らせてあげましょう」という事で、私の授業で使ったプリントをほぼそのまま出しました。私はこれで点を取って自信をつけて欲しいなと思っていましたが、結果はこの通りでした。君達もショックだろうけど、先生達もとてもショックを受けました。
そして、この4回の授業でやっていた『学び合い』は本当の意味で学び合っていないということがこの数字から明らかになりました。
何も君達を責めている訳ではありません。全員達成を君達にしっかりと求めていなかった私にも責任があると思っています。この学年が仕切り直すためには何のために『学び合い』をするのかをもう一度理解する必要があります。
私とN先生が『学び合い』をする理由は2つです。
1つ目は一斉授業だと分からない子は分からない状態のままだし、逆に分かる子にとっては退屈な授業になってしまうからです。『学び合い』では、分からない子は分かる子に聞くことができます。分かる子にとっては分からない子を分からせる説明をするために要点を絞って頭を使いながら説明します。そうする事でより理解を深めることができます。これが『学び合い』をする1つ目の理由です。
2つ目の『学び合い』をする理由は、君たちが社会に出たときに役立つ能力をつけて欲しいと先生達は考えているからです。『学び合い』では、単なる仲良しの子と勉強するのではなく、気の合わない子とも上手く折り合いをつけながら情報交換をして、課題を達成することが求められます。「多様な人と折り合いをつけて課題をこなすことができる」これは君たちが社会に出た後にも大事になってきます。『学び合い』ならそれができる。これが2つ目の理由です。
しかし、今のこの結果から、この学年は本当の意味で多様な人と折り合いをつけながら結果を出せていないということが分かりました。とても辛いですが、まだ可能性もあります。
前回の授業アンケートをとった時に「どうすれば授業がよりよくなると思いますか?」と質問した箇所がありました。そこに、多くの子が良い事を書いてくれていました。
「みんなで教え合いながら問題を解けていけてよかったけど、その反面、一人で解いている人がいたのでそれを直したいなと私は思いました。1人で解いている人を見捨てないで自分から話しかけて解いていきたいです。そうする事によって私自身の世界史の理解にもつなげていきたいです。」
こういった意見がとても多かったです。自分一人だけのことだけでなく、学年全体の足りない部分を知っていて、そこに自分が貢献する事で自分自身も高めていきたい。
そういう人がこの学年には多くいる。だからこの学年は今はまだ本当の意味で『学び合い』をできていないけど、この学年なら必ず本当の意味での『学び合い』ができると先生は信じています。
そうなるために、私はこれまで以上に全員達成にこだわります。だから君達も先生達の期待に答えて欲しい。「ちゃんと分かる」とはどういうことか考えて尽くして名前のプレートを動かして欲しい。来週からもう一度一緒に仕切り直しましょう。」
語りながら、上位2割の子がうんうんと頷いているのが見えました。伝わってくれたかなあ。
この後に、20分程時間を挙げて、テストで分からない部分をクラスメートに自由に聞きに行く時間を与えました。
すると、いつもの授業とは全く違う動きをしていました。学年で1番世界史が得意な男子生徒にゾロゾロと集まる男子達。初めて見る男女で確認する姿など今までにないつながりができていて、少しは上位2割の子にも伝わったかなと感じました。こういう動きを毎回求めないとですね。
あとは結果を出すのみです。