この前、ちきりんさんのラジオで図書館が新しい本を大量に購入して貸し出すことについて触れていたのですが、そこで考えさせられる意見があったのでメモしておこうと思います。
図書館が新刊を大量に購入するのは間違ったインセンティブシステム(評価)があるから
内容は図書館の新刊の貸し出しを例に、インセンティブシステムの重要性についてでした。
例えば、ハリーポッターの新刊が発売されるとなった場合、図書館がその新刊を大量に購入すると、本を売る側からするととても迷惑です。日本でもこの問題は昔から言われています。
ちきりんさんはこの問題を図書館のインセンティブシステムの設計がおかしいと主張していました。インセンティブとは、インセンティブとは、「モチベーションを維持・増幅させるための外的刺激(金銭・金銭以外)」のことを指します。ビジネスでは「個々の成績に応じて支払われる報奨金(金銭)」や「やる気を起きさせるような動機づけ」という意味合いで使われるそうです。
つまり、図書館は間違ったやる気を起こさせるような動機づけをさせられている状態であるということです。ちきりんさんによると、図書館というのは、「貸し出した本の数」によって、評価されており、その評価方法が間違ったやる気の起こさせ方をしていると主張しています。
なので、購入する本はハリーポッターの新刊のようなトレンディーな本を大量に購入することが1番手取り早く成果を出せるようになってしまっており、そういった問題に繋がっているということです。図書館で働いている人達も評価が低ければ閉鎖になり、仕事を失う可能性もあるので必死なわけです。
学校教育はインセンティブという発想がない?
私はこの話を聞いたときに、この例は図書館だけでなく、学校教育でもよく行われているなあと思いました。例えば、文化祭や体育祭においても、気付いたら全員参加を求められていて、先生方も仕事をこなすことで精一杯という状態で、生徒にどういうインセンティブを設計すれば、全員が過ごしやすくなるかという発想になかなかなれません。
授業においてもそうだと思います。インセンティブという発想がないと全員にとっての学びにはつながらないのではないかと思います。
『学び合い』においてのインセンティブシステムは、「やるも自由、やらぬも自由、だけど全員結果を出してね」です。運動会も文化祭も全部これで回せばいいのになあと思う一方で、実際に現場に入ると、こういったニュアンスが生徒に伝わっておらず、失敗してしまうこともあります。上手くバランスをとりながら生徒全員がインセンティブを持って学校に来てくれるような環境を作ることは私自身の課題でもあるなと感じました。