「子どもたちに民主主義を教えよう」を読んでいます。麹町中学校での学校改革で有名な工藤元校長と哲学者の苫野さんとの対談です。対談を通して、民主主義とは何か、学校が民主主義を子どもに教えるためにはどうあるべきかを学ぶことができます。

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民主主義とは対話の連続

対談の中で工藤さんが麹町中学校でどのようにして、学校を改革していったのかがよくわかりました。例えば、工藤さんの学校改革というと「定期テストの廃止」など取り組みにフォーカスされがちですが、工藤さんが繰り返し強調していたのは、そこまでに至るまでのプロセスでした。

それは何度も対話を繰り返して、保護者、生徒、教員が納得できる解決策を考えていたことです。つまり、何をするかではなく、対話を通して納得できる解決策を出すことができる集団づくりを重視していました。

学校は民主主義の育成を阻んでいる?

また工藤さんは対話を通して納得できる解決策を出す経験こそ、学校で子供たちが学ばなければならないとしています。その観点からすると決定権が圧倒的にない今の学校教育には問題があり、もっと様々な問題を生徒で解決させる経験をさせるべきだとしています。それを「心の教育」とか「みんなとなかよくしよう」というよくわからない理論で教育しようとすると対話というのに子供たちはマイナスの印象を持ってしまいます。そうではなく、相手にとってこの案はどれぐらいのメリット・デメリットがあるのか、自分はどこまで譲歩できるのか、お互いの妥協点を決めていくプロセスを経験させないといけないという主張には僕も納得しました。

 そして、教師は最終的なゴールを集団に対し共有させ、あとは子どもたちに任せるべきであるというのも『学び合い』と近いところがあり、とても共感できました。

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