「官僚たちの夏」を読みました。戦後の日本で、官僚達が天下国家のために働いていく物語です。西川先生がたまにこの本の名前を出しているのを思い出し、読んでみました。

 主人公たちはいわゆる昭和の働き方でガンガン働いていくスタイルで日本を変えようと動いていきます。一方で対照的な人物として、片山という人物が現れます。こちらは定時退勤、土日はゴルフなどの趣味で休日をゆっくりと過ごすというスタイルです。主人公たちは片山をやる気のないやつと決めつけて距離を置きます。

 片山は決してやる気がないわけではなく、これからの官僚の働き方はこれがスタンダードになると考えていたわけですが、この本は60年以上も前の本なのに、片山のような人物を登場させていることに驚きました。今でこそ、働き方改革と言われていますが、とても先見性のある本だと感じました。もちろん、主人公たちの昭和的なスタイルも良いですし、ビジョンがあってかっこいいなとは思うのですが、結局、天下国家のために考えて動いているというのは、主人公も片山も一緒だったわけです。主人公たちがもっと早い段階で片山を理解してあげていたら、物語の結末も変わっていたのではないかと思いました。

 教育現場においても同じで、いかに現場が片山のような新しい働き方を受け入れられるかどうかがこれから大事になってくると思います。

 ビジョンを持っている人はかっこいい

 少し、主人公たちを批判しましたが、様々なビジョンを持った官僚が現れます。どの官僚もかっこいいです。やっぱりビジョンを持っている人はかっこいいし、人生の結末がどうであれ、それはそれで本人は納得できるのではないでしょうか。僕自身もこういう熱い気持ちで仕事に取り組みたいなと元気をもらった一方で、現代の官僚はこうした熱量を持っているのか気になりました。

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