2学期の中間テストが終わりました。僕が担当している情報科の授業では、生徒数が多いので複数の教員の先生で授業を分担し合っています。例年では、2年生は全ての授業が座学になっているのですが、今年は色々な事情でPowerPointの授業をすることになりました。

 初めは実習にあまり乗り気ではありませんでした。というのも、座学系の授業の方が『学び合い』がしやすいと考えていたからです。基本的にPowerPointの授業はプレゼン発表の資料を生徒がひたらすら作る時間となってしまいます。この時間をどうしたらよりいい時間になるか考えていました。

 そこで、Facebookでの『学び合い』実践者の発信からヒントうけてやってみようと思ったのが、西川ゼミ形式の実習授業です。基本的にチャイムと同時に生徒はパワポ製作を開始し、僕が順番に3人ずつ呼びながら生徒に質問をさせるという授業です。

 ルールは西川ゼミと同じで「1人、必ず1つ以上の質問をする」「クラスの誰かに聞けば分かるようなレベルの質問は×」です。

 そもそも、この授業形式に挑戦してみようと思ったのは、最近の授業でのある悩みがきっかけでした。

 それは昨日のブログでも書いたのですが、『学び合い』の本質的な話になると上滑りしてしまうという悩みです。『学び合い』を実践してきて、ある程度のことは生徒でできるようにはなってきていると思うのですが、「一人も見捨てない」とか「全員達成」とかそういうレベルにはまだ行けていません。

 そのため、この辺りのテーマを語りで伝えようとするのですが、いまいち上滑りしてしまっているなという悩みがありました。

 そこで、西川ゼミのような対話形式をこのタイミングでやってみることにしました。西川ゼミにおいても『学び合い』の本質的な部分は西川先生との対話を通して徐々にゼミ集団が理解していきます。

 同じように、僕自身まだ集団に深いテーマを語るのが難しい部分はあるけども、対話を通してなら本質的なところを少しずつ伝えられるのではないかと思いました。

実際に終わってみて振り返ると、やってみて良かったなと思います。

まず、楽しいです。

生徒からは色んな質問が来ます。

生徒「先生、画像の挿入はどうやるんですか?」

自分「え?そのレベル?!笑 そんなのクラスの誰かが知ってるでしょ?その質問をするまで何人に聞いたの?」

生徒「誰にも聞いてないです。」

自分「じゃあ、まずはクラスの人に聞くところからやらないとね。君がわかる人と繋がるのがベストだよね。とりあえず、初めての質問だから教えてあげるけど、質問はノーカウントね笑。」

生徒「まじすか?!」

☆☆☆☆

生徒「先生、プレゼンのテーマが考えられません。」

自分「え?プレゼン構成案を考えてこいと1週間前に言ったのに?!誰かと相談したの?

生徒「今、授業が始まってしたけどなかなか」

自分「時間をかけていろんな人と雑談してれば、それなりのテーマが浮かぶはずだよ。今相談してる人で浮かばないなら、もっと色んな人と相談した方がいいんじゃないかな?」

☆☆☆☆

生徒「先生が思う良いプレゼンってなんですか?」

自分「それは、スティーブジョブズのプレゼンでしょ。動画で前見せたよね?前も言った通り、先生も評価するけど、クラスの子にも評価してもらうわけだから、君がクラスの色んな人と繋がって、自分の資料を見せて意見をもらって改善していけば、結構良い資料になると思うよ」

☆☆☆☆

 ほぼ西川先生が言いそうなことしか話せませんでしたが、実際の会話では僕の言葉で伝えられた気がします。

 なかには重箱の隅をつつくというか、苦し紛れの質問もありましたが、それは自分自身も同じようなことをゼミ生時代にしていたことがあったので、懐かしいなと感じながらやっていました。

 いつもは語りとなると指導という感覚に近くなってしまうのですが、対話だと肩の力を抜いて僕がどういう集団になって欲しいのかを伝えることができる気がします。対話はしていますが、基本的に集団に聞こえるように、分かる子に伝われと思って話しています。

 こういう対話をしながら、僕なりの『学び合い』を少しずつ集団に伝えていければなと思っています。何より生徒をおちょくりながら対話するのが楽しいです。今日は初めてだったこともあって、あまり深いことは対話の中で話せなかったで、次回からまたそういう話もいれていきたいです

LINEで送る
Pocket