先日、東大キャンパスの付近で起きた障害事件の件ですが、西川先生のブログを読んで、感じたことがあったので書いておこうと思います。

以下、今日の西川先生のブログです。

今回の試験場で傷害事件を考えてみました。

 認知的不協和理論によれば、人は信じたいことを信じます。そして、信じたいことを肯定する情報を選択し、信じたいことを否定する情報を無視します。

 東大医学部を受験しようとする子どもなのだから、おそらく受験の点数を取ることに長けていたのでしょう。点数を上げて、偏差値を上げることが成功に繋がるという、単純な偏差値信仰を信じたいと思っていたのだと思います。そして、小学校、中学校、そして高校も最近までその信仰を信じることに矛盾を持たなかった。ところが、偏差値信仰を信じることが自分に不利になるような状況になったのだろうと思います。

 まあ、偏差値信仰で幸せになれる人が信じることをあえて止めません。人それぞれですから。でも、偏差値信仰で幸せになれない人が、それに固執する必要はありません。

 少なくとも、その子や保護者がアンテナを高くして、弁護士や歯科医に起こったこと、そして会計士におこりつつあることを知り、その原因を理解すれば、医者という職業は、今の偏差値市場から言えば良い物件ではありません。

 それに東大の医学部に拘るのは何故でしょうか?確かに、大学研究者の世界だったら有利でしょう。しかし、民間の研究者だったら決定的ではない。診療医だったら学歴よりも、コミュニケーション能力の方が決定的です。

 日本に残った旧学歴モデルを変えるには、学歴モデルの強者に現状の情報を伝えても変わらないでしょう。何故なら、現状の学歴モデルを信じたいと思っているからです。

 私はある地域トップ校を2年間にわたって観察したことがあります。その学校には地域の中学校のトップが集まります。高一の1学期までは全員が勉強に取り組みます。ところが2学期になると学ぶことを諦める子が出てきます。その割合は2年になると2割ぐらいになり、3年になると4割ぐらいになります。中には退学する生徒もいます。正しい学歴モデルを伝えるべきは、その子達です。彼らは旧学歴モデルから逃れたいと思っています。

 これはトップ校以外の子どもだったら、もっと多くの子どもが願っています。

 中途半端な、つまり偏差値60以下の非ジョブ型大学に進学するより、偏差値50以下のジョブ型高校を卒業する方が有利なのが現状なのです。

 小学校の先生を含めて、多くの先生方が現状を理解し、呪縛を解いて下さい。そして、本当にすべき対応策を早めにすることを教えて下さい。そうしたら、今回みたいな事件は起こらなかった。

https://www.jun24kawa.com/

実習校で会った自己肯定感が低い生徒

 僕が大学院で行った実習校は、勉強が得意な子ばかりが集まる学校ではなく、卒業後は地元の企業に就職したりする生徒が多い学校でした。そして、その学校に通っている生徒の多くが自己肯定感が低かったことを覚えています。「自分は学校の勉強ができないから、良い人生は送れない」と本気で悩んでいる生徒が多いのです。

 そう考えてしまう原因は色々あると思うのですが、その中の1つに学歴モデルだけに縛られているというのも原因としてあると思います。勉強ができない→自分はダメだという悪循環にハマっている生徒が多く、将来に向けて自分はどう学校生活を送れば良いのか分からないという生徒が多くいました。

教師が1つのモデルに縛られないことが大事

 では、そういった生徒に対して教師はどうするべきかというと、西川先生がブログで指摘している通り、別のモデル(別の生き方)を生徒に伝えることが大事だと思います。これが学校現場でできておらず、苦しんでいる生徒というのは全国にたくさんいると思います。そういう意味では、今回の事件を起こした少年も、1つのモデルの中で苦しんでいたんだろうと思います。僕も中学生の時にこのモデルに苦しんでいました。この時に、「こういう生き方もあるよ」と言ってくれる人がいれば、もっと気楽に生きれたのになと今でも思います。

色んな生き方を知る。生徒に伝える

 これから社会はジョブ型雇用の広まりやリモートワーク等の普及で色んな生き方が可能になっていきます。そういう生き方をしている人達を知ることで苦しんでいる生徒に「こういう生き方もあるよ」と伝えられるような存在でありたいと思いました。

 

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