宮台真司さんの「日本の難点」を読みました。宮台さんは社会学の教授なので、話がかなり難しい部分がありましたが、勉強になることも多かったです。
日本で起こった「共同体の空洞化」という現象をもとに、日本の難点を解説しています。教育の章では、モンスターペアレンツが生まれる背景としても、宮台さんはこの「共同体の空洞化」が原因だとしています。
つまり、昔は学校において問題が発生すると、保護者は近所の保護者に相談したり、井戸端会議を開いたりと、地域の共同体の中で解決することができていました。しかし、郊外化によって、共同体が空洞化した結果、困った保護者は救済されることがなく、結果としてモンスターとして学校に歯向かうようになってしまうということです。
また、学校側も地域の共同体を失っているため、モンスターペアレンツからクレームが来た時に「そんな要求はおかしい」という反論を他の保護者が支援してくれることに期待することができず、クレームを真に受けてしまうことになり問題が悪化してしまいます。
この話はなるほどと思いました。学校と地域、保護者同士の繋がり強ければ、問題が起こっても保護者のコミュニティで解決でき、モンスターペアレンツが生まれる確率は低くなると思いますし、学校側もクレームが来ても「この要求であれば、こう対応すれば大半の保護者は支持してくれるだろう」と適切に対応することができます。
そうした意味でも、学校という場所はこれから地域の共同体を作り直す意味でも重要な場となるのだろうと思いました。