岡田さんの「評価経済社会」で、これからの企業はどういったことを意識しながら経済活動をすることが大事になってくるかが書かれているのですが、これはゼミ活動や今後のまちづくりにおいても重要な指摘だと思ったのでメモで書いておこうと思います。

岡田さんは評価経済社会における企業は3つのことを意識しながら活動をすることが大事であると主張しています。

1:価値観の提示

2:具体的要求

3:成果の報告

これらの3つが揃うことによって、評価経済社会において影響力を適切に使いながら経済活動をすることができるとしています。

この点について、もう少し具体的に説明しておきましょう。まず「価値観の提示」についてですが、だらだら寄付をやっても仕方がないわけです。まず何をするにしても、何がしたいのかをハッキリ打ち出さないと評価の対象になりづらい(なっても評価を稼ぐ効率が悪い)ことになります。

そもそもこの活動は何のためにするのか、というのをハッキリと打ち出さないとサポートしてくれる人は増えないということですね。

次に「具体的要求」ですが、ここでも「ハッキリ」が要求されます。これもよく考えれば当然で、漠然と「助けて」「協力して」と言われても、言われた方は困るだけです。人に影響を与え、協力を求めるならできるだけそうしやすい形、つまり「何をしたいかがハッキリ打ち出してあり、そのために自分が何をすればいいのか」を明確にしなければなりません。影響を与える側に、何をすればいいのかを一々考えさせるのは「影響力」の行使がかなり下手くそ、と言わざるを得ません。

しっかりと価値観を示しても、具体的にどういうことをして欲しいのかを提示しなければ、人は協力してくれません。具体的な要求があって初めて協力する側は「じゃあ、これぐらいなら協力できるかな」といった考え方になることができると思います。

そして「成果の報告」です。これはホワイトバンド活動がいい例になると思います。「世界の貧困を救うためにお金の援助を集める」という目的・ビジョンはハッキリしていて、300円だかのバンドを買うという要求も具体的です。ただ、300円のほとんどが製造費や組織の運営費などに持って行かれ、わずか数円しか本来の目的に使用されない、となると、誰も協力しませんよね。まして、街頭の募金詐欺のように、集めた寄付が具体的にどうなったかの報告がないと、胡散臭くて誰も募金しません。

僕が1番大事だなと感じた部分です。価値観の提示もして、具体的な要求もして、協力者を集めたけど、成果の報告が疎かになってしまうと協力者が継続的にサポートしてくれなくなります。この活動の成果は何か、何が改善点としてあるかまでしっかりと報告することで、協力者も継続的にサポートしてくれるようになるのではないかと思います。

これが疎かになるとサポーターの中でも「そもそもこれはやる意味があるのか?」といった疑問などが生まれてきてしまいます。学校行事や地域との連携した活動においてもここをしっかりとやることが大事だと感じました。

価値観の提示、具体的要求、成果の報告。この三つがそろって初めて、評価資本は増大します。消費者がサポーターになる、とはこのようなことなのです。

以上のような三つは、まちづくりにおいても、あらゆる活動においても大事になってくると感じました。

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